施設要件の確認 <建築基準法>

住宅やオフィスビルを民泊として利用する場合、建築基準法上の用途区分が変わるため、宿泊施設としての基準を満たす必要があります。

用途変更に伴う確認申請

ここで最も重要なポイントとなるのが「用途変更に伴う確認申請」です。
建築基準法では、建物ごとに用途が定められており、用途を変更する場合(正確には、変更後に特殊建築物に該当する場合)は、原則として確認申請が必要となります。

例えば、マンション(建築基準法上は「共同住宅」)を民泊施設(「ホテル・旅館」)へ変更する場合、確認申請が必要です。

100㎡以内に抑えるのがポイント!

ただし例外として、民泊として使用する部分の延床面積が100㎡以内であれば、確認申請は不要となります。
確認申請には、図面作成や構造計算が必要であり、建築士への依頼も必要です。さらに、検査済証などの書類が不足している場合、手続きに数ヶ月を要することもあり、費用も数十万円〜数百万円に及ぶケースがあります。
この間の機会損失や空室期間の家賃負担を考えると、小規模民泊では100㎡以内に抑えることが非常に重要な戦略となります。

なお注意点として、民泊部分が100㎡以下であっても、同一建物内にすでに100㎡以下の飲食店などが存在し、それらの合計が100㎡を超える場合は、確認申請が必要となります。
つまり、判断基準は「建物全体における対象用途の合計面積」です。

戸建住宅・オフィスは少し特殊

少し分かりづらい点として、戸建住宅やオフィスは確認申請の対象となる「特殊建築物」には該当しません。
マンション、ホテル、店舗などは「特殊建築物」に分類されますが、戸建住宅やオフィスはこれに該当しません。
そのため、「特殊建築物 → 別の特殊建築物」 「非特殊建築物 → 特殊建築物」 へ変更する場合にのみ、確認申請が必要となります。

具体例で解説

例えば:
①ビル内にすでに

  • 80㎡の飲食店
  • 70㎡の物販店

がある場合、そこに80㎡の民泊を追加しても、確認申請は不要です。
(すべて特殊建築物だが、用途変更扱いにならないため)
②ビル内に

  • 80㎡の飲食店(特殊建築物)
  • 70㎡のオフィス(非特殊建築物)

がある場合、そこに80㎡の民泊を追加すると、確認申請が必要です。
理由は、オフィス(非特殊)→民泊(特殊)への変更により、建物内の特殊建築物の合計が100㎡を超えるためです。

専門家への相談を推奨

これらのルールは非常に複雑であり、特に商業ビルで民泊を行う場合は、専門家への相談を強くおすすめします。

また、確認申請が不要な場合でも、建物は建築基準法に適合している必要があります。

共同住宅と宿泊施設では基準が大きく異なるため、マンション仕様のまま民泊を運営すると「違法建築」と判断され、刑事罰や行政処分の対象となる可能性があります。

東京都建築安全条例にも注意!

東京都で民泊を運営する場合、以下の2点も必ず確認が必要です。

① 窓先空地

客室の窓が道路に面していない場合、
窓の外側に一定の幅を持つ避難スペースを設け、さらに幅1.5m以上(延床面積200㎡超の場合は2m以上)の通路で道路に接続する必要があります。
この避難スペースを「窓先空地」といいます。

  

② 接道義務

民泊施設は、道路に対して一定の長さで接している必要があります。
例えば:
民泊部分の延床面積が500㎡以下の場合
→ 幅4m以上の道路に接している必要があります
つまり、敷地の奥まった場所にあり、細い通路でしか道路に接していない建物は、民泊として使用できません。

なお、戸建住宅やオフィスなどの非特殊建築物の場合、接道義務は2mで足ります。
そのため、これらを民泊へ用途変更する際には、接道条件を満たしているか特に注意が必要です。

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